NLP(神経言語プログラミング)によるコミュニケーション
NLPは日本語では神経言語プログラミングと言います。
NLPはNeuro-Linguistic Programmingの頭文字です。
脳に関する研究のことですが、主にコミュニケーションに役立つものとして紹介されています。
アメリカでは脳の取り扱い説明書とも言われ、神経、つまり感覚と言葉が脳のプログラムに作用するという実践的な研究です。
心理学の先進的なものとして、あがり症や恐怖症をなおしたり、人間関係やコミュニケーションに役立つとされています。
脳の特性を理解し、それを利用することによって効果的にモチベーションを維持したり、コミュニケーションを円滑にするためのテクニックでもあります。
視覚、聴覚など、人間の五感に作用を与えることで、精神状態に変化を与えたりします。実際に能力がある人でもプレッシャーなどで、実力を発揮できないときに最高の状態を作り上げるのにも役立ちます。
NLPでは脳に3つの基本プログラムがあると考えます。
1、空白の原則
脳は空白を埋めようとする。
2、焦点化の原則
同時に複数のことを意識するのは難しいので、焦点化が起きる。
3、快、痛みの原則
快を求め、痛みを避ける傾向が脳にはある。
これらのプログラムをうまく利用して、自分自身や他人の心理を上手に操作して、役立てようと言うものです。
人間の脳の特徴にあわせて、環境や言葉を操り、五感に訴えかかることで人の心や精神状態を好ましい状態に導く技術です。
空白の原則は、広告などでもよく利用されています。
わざと、中途半端な言葉にしたり、質問を投げかけたりして脳の中に空白、答えがわからない状態を作ります。
脳は空白状態を嫌うので無意識に答えを求め続けます。
それにより印象に残ります。
焦点化の原則はマジックで利用されます。
人間の脳は同時に意識的に同時に複数のことに注目するのは難しいので、注意をそらすのです。
自分にとって苦痛や不快感を与えるような人は好きになれません。逆の場合は、心を許してしまうでしょう。
自分が相手にとって安全であることを無意識に感じ取らせることによって、コミュニケーションは円滑になります。
脳の3つの基本プログラムは、人間の根本的な安心や安全に対する欲求に基づいています。
理解して把握できるものは安心できるので、空白を嫌い、一つのものに注目していれば、
その状態をしっかり把握してコントロールできるので安心できます。
苦痛は安全な状態ではないので快適な状態を求めます。
NLPでは、脳は、空白を自動で埋める機能、一点に焦点をあててしまう、快楽を求めるという3つの原理で動いていると考えています。
これらの脳の特性を利用し、自分、相手の心理状態をコントロールしてコミュニケーションに役立てることができます。
ビジネスでは上司や部下との関係を円滑にしたり、コーチングで利用されたりしています。
説得などのように直接的に働きかけるわけではなく、脳の特性を利用して、効果的に心理誘導を行います。
他人をコントロールする場合でも、結果的には、そのコントロールされた人自身が決定することになるので、心理的抵抗が少ないです。
催眠とは異なる技術です。
意識を、環境レベル、行動レベル、能力レベル、信念・価値観レベル、アイデンテティレベルの5段階の階層になっていると考えます。
これをニューロロジカルレベルと言い、それぞれのレベルに働きかける言葉を巧みに利用し無意識に影響をあたえます。
上位のレベルは下位のレベルの大きな影響を与えるので、アイデンテティレベルを好ましい状態にすることで、行動レベルを制御し、好ましい行動をするようにできます。
例えば、ほめるときは上位のレベルに働きかけるようにします。
そして、しかるときは下位のレベルに働きかけるようにします。
しかるときの例で考えるとわかりますが、個人攻撃をして、アイデンテティレベルを傷つけるよりも、環境のせいにして環境レベルで話をするほうが、相手は受けえ入れやすいでしょう。
その上でアイデンテティレベルを操作して、好ましい状態へと導くわけです。
脳の3つの原理は、根本には安全欲求からきています。
コミュニケーションで必要なのは、相手に安心感を与えることです。
そのためには、ラポールと呼ばれる信頼関係を気づきます。
ラポールを作るために最も重要なことは相手に合わせることです。
人間は自分との違いが大きなものに恐怖、不安を感じます。
気づかれないように無意識に働きかけ安心感を植え付けるのです。
そのためには、さりげなく行動を合わせたり、口癖を合わせたり、声のトーン、話すスピードを合わせたりします。
人間には優位感覚というものが存在します。
5感の中でも、視覚優位であったり、聴覚優位であったりします。
どの感覚が優位であるかわ、その人の言葉を聞いていればわかります。視覚的な言葉の人が多いなら、視覚優位です。
優位間隔がどれかわかれば、その感覚に働きかけるようにして、ラポールを作れば、効率的です。
NLPを生活に生かす
NLPは人間の感情、心理状態は環境、身体的動作など物理的要因と密接に関連しています。
日本語でも体の状態によって、心理状態をあらわすものがたくさんあります。
リラックスするために力を抜くときなども、リラックスしていれば力が抜けているし、力を抜けばリラックスできるということがあると思います。
自分や相手が好ましい状態の時の特定の動作を見つけ出して、その動作を引き出すことで、心理状態をコントロールするということもあります。
視覚や聴覚に訴えかけるような言葉を使うことで、言葉により人の五感を刺激して気持ちを変化させることができます。
NLPでは、脳は空白を嫌うとされているので、質問をすることで人の気持ちを変化させようとします。
空白を嫌うというのは、問題を投げかけることで、脳は自動的に答えを捜し求めてしまうということです。
質問を効果的に使うことで、人の気持ちを誘導することができます。
質問を効果的にするには、コツがあります。
質問はポジティブにすべきです。
仕事で失敗した場合は、なぜ失敗したのかを問うのではなく、うまくいく方法を尋ねるべきです。
どちらの質問でも導き出される結果は同じで、失敗した原因と対処方法です。
しかし、うまくいく方法を尋ねたほうが、前向きな気持ちになり、次の仕事でよい結果を出せる可能性が高いです。
これは、脳が複数のことを同時に意識するのが難しいので、焦点化が起こるということを利用しています。
やる気なんて自分で出せばいいという人がいると思いますが、それが出来ない人を上手に使うための科学的な手法です。
質問により意図的に空白を作り出すことで、脳が勝手に空白を埋めるように働きます。昔から多くの科学者がひらめきに利用していました。
潜在意識は睡眠中も働き続けるので、夢の中で答えを見つけることもあります。
ネガティブな心理状態は身体的にもネガティブな影響を引き起こし、生活の悪循環が起こってしまいます。
どうしてもポジティブに考えられないこともあるでしょう。
そんなとき、NLPでは、リフレーミングという手法を使います。
フレームというのは物事の枠組みで、その枠組みを変化させることで、物事を捉える視点を変化させます。
リフレーミングと焦点化を駆使して、悪い状況でも良い部分にスポットライトを当てることにより、ポジティブな心理状態をキープするようにします。
NLPは五感に影響を与えたり、言葉を上手に利用して、自分や相手の心理状態を目的にあわせてコントロールする方法です。
上のように説明すると、なにかあやしいもののように思われがちですが、実際には、あがり症や恐怖症を治したり、心の傷を軽減したり、ビジネスやプライベートでの人間関係の問題を解決するのに利用します。
人間の脳は基本的に快楽を求めるようになっているので、そこをうまく利用します。
人とのコミュニケーションが難しいのは、伝えようとする言葉と聞き手が受け取る言葉が文字上は同じでも、認識上に大きく開きがあるからです。
同じ言葉でも、意味が脳にいたるまでには、各人の知識、体験のフィルターを通過するので意味が歪曲してしまいます。
同じことを言っても、状況により意味が異なったものになるので、コミュニケーションで自分の意図を正確に伝えるのは非常に難しいです。
言葉は相手の過去の経験などのイメージを喚起します。
どの言葉がどんなイメージに結びついているのかをいち早く察知することで、相手に対して効果的な言葉の使い方がわかります。
好ましいイメージを喚起する言葉を使えばいいのかと言うと一概にそういうわけではなく、好ましくないイメージを喚起する言葉のほうがコミュニケーションに効果的な場合もあります。
身体感覚は心理状態に影響します。
体の力を抜けば、リラックスできたり、あがっているときは、内臓が上に上がっているような感覚があります。
好ましい精神状態の時の身体感覚を覚えておいて、その状態を再現することで、心理状態をコントロールすることも可能です。
朝、顔を洗うと目覚めると言うの物理的に顔面に冷たい水がかかるから目が覚めるという
以外に、その行動がスイッチになって目覚めているという部分も大きいです。
意図的に行動によるスイッチを作ることもできます。
身体感覚と心理状態の関係をコミュニケーションに利用する場合は、相手にとって、好ましい言葉や好ましくない言葉を投げかけて、そのときの相手の動作をよく観察して覚えることによって利用します。
